床ずれと予防方法
1. 床ずれの好発部位
①床ずれの好発部位
仰向けのとき | 頭のうしろ・肩・ひじ・肩甲骨のうしろ・尾てい骨の上部・かかと |
横向きのとき | 耳のうしろ・肩・ひじ・手の甲・腰骨・ひざ・くるぶし |
②程度の分類
第1度 | 傷のない発赤 |
第2度 | 水疱・表皮剥離・浅い潰瘍 |
第3度 | 脂肪組織にいたる皮膚の損傷 |
第4度 | 筋肉・骨・腱におよぶ損傷 |
合併症 | 感染、骨髄炎、敗血症など |
③床ずれの原因
圧迫の時間 圧迫の強さ |
+ | 内的要因 | 栄養状態が悪い |
加齢 | |||
運動麻痺 | |||
知覚障害 | |||
意欲の低下 | |||
その他 | |||
外的要因 | 湿潤 | ||
(差し込み便器等による)摩擦 | |||
(体位変換時等の)ずれ |
2.床ずれの予防方法
- 寝かせきりにしない
- 圧迫を軽減する
- 摩擦を避ける
- 皮膚を清潔にし、湿潤を最小限にする
- 栄養状態を整える
- よく観察し、早めに手当をする
ⅱ.圧迫を軽減する
■自分で動けないときは、定期的に体位変換させる
・右向き ⇔ 上向き ⇔ 左向き ⇔ 寝る ⇔ 座る
・向きを変えたら、圧迫されていたところを軽く叩いてマッサージするとよいでしょう
■床ずれ予防用具を活用する
ⅲ.摩擦を避ける
■向きを変えるときは引きずらない
■皮膚と皮膚が擦れ合う部分には、タオル・スポンジを挟む
■シーツは糊づけを薄く、体に縫い目が当たらないようにする。また、しわができやすいのでこまめに整える
■寝着は背中に縫い代、ボタンがないもの
■差し込み式便器を使う時は、無理に差し込まない。オムツも同様
ⅳ.皮膚を清潔にし、湿潤を最小限にする
■毎日入浴する。入浴できないときは体を拭く
■汗をかきやすい方、熱のあるとき、オムツ時、夏期は特に注意
■通気性のよい、ゆったりした寝着や下着を選び、毎日交換する
■オムツは、最小限の使用にし、排泄の後は汚れをよく拭き取る。1日1回は陰部をお湯で洗うとよい
■防水布を用いるときも、最小限の大きさにする
ⅴ.栄養状態を整える
■バランスの良い食事、特に良質のタンパク質、ビタミンの摂取を心がける
■1度に食べられないときは、食べる回数を増やす
■飲み込みにくいときは、細かく刻む、柔らかく煮る、とろみをつける、水分を多く含ませた食物にするなどの工夫をする